Top Message
わたしどものビジネスは、個人のお客様が主体となっており、当然ながら、皆さまにご愛顧いただけるような金融商品・サービスやシステム環境を提供し続けることが求められています。近年の為替市況の中で、金融事業とシステム事業に原点回帰し、業界における優位性を高め、他社にはない特長を打ち出した各施策を日々愚直に邁進してきた結果、多くの投資家の皆さまから高いご評価をいただきました。おかげ様で口座数や預り資産は大きく伸び、良い業績をあげることにつながったと考えております。
経営者の立場として、確かに業績目標の必達は株主から任された責務のうち最も重要なものであると認識しております。しかしながら、わたしどものビジネスは、決して一企業単独の頑張りだけで成立しうるものではなく、今後も永く社会の一員として、時代を超えて存在を認めていただけるような企業に育てていかなければならないと考えております。そのためには、経営幹部も社員も、視野を広く、世の中(社会)や将来を見通す知識と、そこにサービスを提供することの意義を理解し行動できる善なる信念を持った強い組織(集団)にしていくことがわたしの本懐であります。
今、当社グループでは、将来を担う子供たちへの金融経済教育の活動に力を入れて取り組んでいます。現役の外国為替ディーラーが小学校や中学校に出向き、お金の大切さや、長い時間をかけて着実に資産形成を行うことの意義などをテーマに、外国為替や株式を題材とした出張授業を複数回に亘ってさせていただいております。
人生100年時代を生き抜く、若い彼ら彼女らに、単に金融知識の伝達にとどまらず、お金との向き合い方について、自分自身の課題としてとらえ、それぞれが問題意識をもって、自分なりに考え探求し続けることで、人生を価値ある豊かなものとして欲しいとの切実な想いからです。
産(民)・官・学が一体となった金融経済教育を推し進めることは、若年層の金融リテラシーの向上が図られ、また、資産形成の過程で投資の意義を学ぶこととなり、長期的な日本経済の健全な発展と国際的な競争力強化にも寄与する重要な施策であると認識しておりますし、当社も金融ビジネスに身を置く事業者として、その一助となれるよう、短期的な利益にとらわれることなく進めてまいります。
FXは決して、賭け事の類(たぐい)ではありません。人生100年時代、自己管理を徹底しながら(自分自身だけでなく)子や孫など家族みなが共に、実り多き、そして深く豊かな善き人生を歩んでほしい。その糧を得るための、貴重な資産をどう守り、そして増やしていくべきか。
日々、経営幹部や現場社員らと一緒に、そうしたことを常に自問自答しながら、また時には自己批判もしながら分け隔てない対話を積み重ねております。様々な意見がぶつかり合いますが、こうした日常の議論、思考や洞察といったものがやがて統合され、止揚してく中で、彼らの中に、より大きな理解と探求心が芽生え、協働・共創の意識が高まり、より創造的な価値や高次のサービスを産み出し得る好循環が広がってきていることもうれしく感じています。
人(人的資本)こそが会社にとって、もっとも大切な資産であり、成長の原動力となります。社員ひとりひとりが、意識を高く持ち、社会を善くし、お客様の繁栄や社会との共存を図らずして、自らの存在意義はないということを、これからも伝え続けていきたいと思っています。
わたしはこの会社を71歳の時に創業しました。創業25周年の節目を越え、これからも、永くお客様や株主の皆さまに寄り添うことで、喜んでもらえるような会社にしていくこと、それこそが企業経営を任された私の使命であり責務であると思っています。
トレイダーズホールディングス株式会社
代表取締役会長兼社長 金丸 貴行